技能実習制度の瓦葺きに関するご説明ページ
tile roofing
日本家屋の屋根に瓦を並べ、雨風から建物を守る仕事─それが「かわらぶき」です。伝統的な和瓦から、近年増えている洋風の瓦まで、屋根仕上げを専門に手がける事業者様に向けて、この職種の技能実習について解説します。
※技能実習制度は今後見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報に基づいており、実際の受け入れ判断にあたっては監理団体や外国人技能実習機構の最新情報を必ずご確認ください。
かわらぶきは、屋根の下地の上に瓦を1枚ずつ並べ、固定していく仕事です。単純に「瓦を並べる」だけに見えて、実際には雨漏りを絶対に起こさないための細かい技術が詰まっています。
対象となるのは、次のような屋根です。
瓦の種類、屋根の形状(切妻、寄棟、入母屋など)によって、必要な技術や納まりが変わってくるのが、この仕事の奥深いところです。
かわらぶきの作業は、大きく次のような流れで進みます。
実習生には、まず瓦の運搬や荷揚げ、地上での瓦の準備といった補助的な作業から始めてもらい、屋根の上での固定作業は、基本的な安全教育を終えてから段階的に任せていくのが一般的です。
特に棟部分の施工は、かわらぶきの中でも技術力が問われる工程です。ここは経験を積んだ実習生でも、指導員の確認を受けながら進めることが多くなります。
瓦を固定する際も、「なぜこの位置に釘を打つのか」「強風でも飛ばされない留め方はどんな状態か」を併せて伝えることで、実習生の理解が深まります。
かわらぶきは、屋根の上での作業が中心のため、次のようなリスクに特に注意が必要です。
屋根の上は他の建設工事以上に足場が不安定になりがちで、勾配や瓦の滑りやすさにも注意が必要です。安全帯の使用、親綱の設置、天候による作業中止の判断基準など、屋根特有のルールを実習生にもしっかり伝えましょう。
写真や動画、母国語資料を活用し、「屋根の上でしてはいけないこと」を具体的に、繰り返し伝えることが重要です。
技能実習生を受け入れるには、次の3つの役割が必要です。
伝統的な和瓦の技術は、指導員の経験がそのまま実習生の技能習得スピードに直結します。指導員がどの程度現場に同行できるかも、体制づくりの際に確認しておきたい点です。
かわらぶきは天候の影響を強く受ける仕事です。雨の日は作業ができない一方、晴れが続くと工期に合わせて作業が集中することもあります。
技能実習生も労働基準法の適用を受ける労働者です。作業日報や出勤簿で労働時間をきちんと管理し、残業が発生した場合は割増賃金の支払いなど必要な対応を行いましょう。
受け入れ可能な人数は、常勤職員数、団体監理型か企業単独型か、優良な実習実施者の要件を満たしているかによって変わります。次を整理したうえで監理団体に確認するのが確実です。
かわらぶきにも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)があります。ただし2027年4月1日の育成就労制度への切り替えが決まっているため、これから新規で受け入れを始める場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点は理解しておきましょう。
長期的な受け入れを考える場合も、「3号まで5年」を前提にせず、監理団体と育成就労制度への移行スケジュールを相談しながら計画を立てることをおすすめします。
2027年4月1日、技能実習制度は育成就労制度へ切り替わります。施行日前から計画の申請が進んでいる場合は、経過措置の対象になる可能性もあります。
かわらぶきでの受け入れを検討する際は、次を確認しておきましょう。
制度の細部は今後も省令等で決まっていくため、出入国在留管理庁や外国人技能実習機構の公式発表を継続して確認してください。
Q. 和瓦と洋瓦、どちらも経験させる必要がある?
自社が主に扱う瓦の種類に応じて構いませんが、施工の考え方に共通点も多いため、可能であれば幅広く経験させることが望ましいとされています。
Q. 寺社仏閣の屋根は特別な技術が必要?
はい。伝統的な工法や意匠性が求められるため、より高度な技能と経験が必要です。実習生に任せる範囲は指導員が慎重に判断する必要があります。
Q. 屋根の上での作業は最初からさせていい?
避けるべきです。まずは地上での作業や安全教育を十分に行ってから、屋根上の作業に段階的に慣れてもらう必要があります。
Q. 強風の日でも作業させていい?
安全上、強風・悪天候時は作業中止の判断が必要です。現場の安全基準に沿って、実習生にも判断基準を伝えておきましょう。
Q. これから受け入れても5年間の実習は期待できる?
制度上は可能ですが、2027年4月の制度切り替えにより、新規受け入れでは実質的に難しい可能性が高いです。監理団体に最新の見通しを確認しましょう。
かわらぶきは、屋根の上で雨風から建物を守る、日本の建築に欠かせない仕事です。瓦の種類や屋根の形状に応じた技術と、屋根特有の安全管理の両方が求められます。
受け入れを検討する際に押さえておきたいのは、次の3点です。
技能実習制度は2027年4月に育成就労制度へ切り替わる予定であり、今後もルールが変わる可能性があります。本記事の内容だけで判断せず、監理団体や公的機関の最新情報を確認したうえで計画を立てることをおすすめします。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。