技能実習制度のビルクリーニングに関するご説明ページ
Building cleaning
オフィスビルや商業施設の清掃を専門に行っている事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「ビルクリーニング」があります。作業区分は「ビルクリーニング」の1つです。
ビルクリーニングとは、建物の床・壁・窓・設備などを、専門的な技術と機材を使って清掃する仕事です。この職種も、事業所側に法令上の登録が求められる点が特徴です。
この記事では、技能実習の「ビルクリーニング」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
ビルクリーニングの技能実習を受け入れるには、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」に掲げる登録業種のうち、次のいずれかの登録を受けている必要があります。
・「建築物清掃業」(第1号)
・「建築物環境衛生総合管理業」(第8号)
一般的な家事代行やハウスクリーニングとは異なり、法令に基づく登録業種であることが前提になる点を、まず確認しておく必要があります。
ビルクリーニングは、大型の建物を対象に、床・壁・窓・トイレ・共用部などを定期的かつ専門的に清掃する仕事です。
主な仕事内容は次のとおりです。
・床の清掃(洗浄、ワックスがけ等)
・窓ガラスの清掃
・トイレ・洗面所等の衛生清掃
・共用部(エントランス、廊下等)の清掃
・清掃機材(ポリッシャー、洗浄機等)の操作
・清掃計画の理解、作業記録の作成
実習生には、最初から高所での窓拭き作業を任せるのではなく、床や共用部の清掃といった基本的な作業から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば床のワックスがけひとつをとっても、床材の種類、汚れの程度によって、使用する洗剤や機材の設定が変わります。こうした判断は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
ビルクリーニングの現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・高所での窓ガラス清掃時の墜落・転落
・洗剤・薬品の取り扱いによる皮膚・目への刺激
・清掃機材(ポリッシャー等)の操作による巻き込まれ事故
・濡れた床での転倒
特に高所での窓ガラス清掃がある場合、墜落防止対策(安全帯、ゴンドラの使用等)を徹底する必要があります。実習生には、母国語資料等を用いて洗剤の正しい取り扱い方と、高所作業のルールを具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:ビルクリーニングの実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
なお、この職種は事業所が建築物清掃業等の登録を受けていることが前提となる、特有の要件がある点に注意してください。
技能実習生にも労働基準法が適用されます。清掃業務はビルの営業時間外(早朝・夜間)に行われることも多いため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
ビルクリーニング職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
なお、ビルクリーニングは特定技能制度にも対応する分野があるため、育成就労制度への移行後も、分野として継続していく可能性が高いと考えられます。
Q. 登録がない事業所でも受け入れられますか?
建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録を受けていることが前提です。登録がない場合、この職種での受け入れは難しくなります。
Q. 夜間や早朝の作業が多いですが、労働時間の扱いは?
通常の労働時間管理と同様に、深夜・早朝の時間帯に応じた割増賃金の対象になる場合があります。
Q. 洗剤や薬品を扱う作業に資格は必要ですか?
使用する薬品によっては、取り扱いに関する教育が必要な場合があります。
技能実習のビルクリーニングは、建物の床・壁・窓・設備を専門的に清掃する仕事です。受け入れには事業所自体の登録が前提となるため、まず自社がその条件を満たしているかを確認することが欠かせません。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。