技能実習制度の化粧品製造に関するご説明ページ
Cosmetics manufacturing
化粧品を製造している事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「化粧品製造」があります。作業区分は「仕上工程管理」の1つです。
化粧品製造とは、製造された化粧品原液を容器に充填し、検査・包装して製品に仕上げる仕事です。この職種は、化粧品GMP(ISO22716)という国際的な品質管理基準に沿った作業であることが求められる点が特徴です。
この記事では、技能実習の「化粧品製造」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
化粧品製造の技能実習を受け入れるには、仕上工程管理の一連の作業が、化粧品GMP(ISO22716)ガイドラインに定める指針を適用したものである必要があります。
化粧品GMPは、化粧品の品質を安定して確保するための国際的な製造管理・品質管理基準です。この基準に沿った体制が整っていない事業所では、この職種での受け入れが難しくなる可能性があります。
化粧品製造(仕上工程管理)は、化粧水、乳液、ファンデーションなどの中身を容器に詰め、ラベルを貼り、梱包するまでの工程を担います。
主な仕事内容は次のとおりです。
・原液・容器の受け入れ、確認
・充填機への容器のセット
・充填作業(原液を容器に詰める)
・キャップ締め、ラベル貼り
・外観検査(漏れ、汚れ、ラベルのズレ等の確認)
・梱包、出荷準備
実習生には、最初から充填機の細かい設定を任せるのではなく、容器の受け入れ確認や外観検査といった作業から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
化粧品は、肌に直接使用する製品であるため、わずかな異物混入や品質のばらつきも許されません。そのため、単に機械を操作すればよい仕事ではなく、GMPの考え方に基づいた、記録と確認を徹底する姿勢を、時間をかけて身につけていく必要がある仕事です。
化粧品製造の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・充填機の可動部分による挟まれ事故
・原液や洗浄用のアルコール等による皮膚・呼吸器への影響
・ガラス容器の破損による切創
・クリーンルーム環境での温度・湿度管理にともなう体調管理
化粧品工場では、異物混入を防ぐためクリーンルームに準じた環境で作業することも多く、一般的な工場とは異なる衛生管理のルールがあります。実習生には、母国語資料等を用いて衛生管理の考え方と、薬品の安全な取り扱い方を具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:化粧品製造の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
なお、この職種は作業全体が化粧品GMPガイドラインに沿ったものであることが前提となる、特有の要件がある点に注意してください。
技能実習生にも労働基準法が適用されます。新商品の発売スケジュール等に合わせて繁忙期が生じやすいため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
化粧品製造職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
Q. 化粧品GMPに対応していない工場は受け入れられませんか?
仕上工程管理の作業がGMPガイドラインの指針を適用したものであることが前提のため、対応していない場合は受け入れが難しくなります。
Q. 原液の製造工程も対象になりますか?
対象となるのは仕上工程管理(充填、検査、梱包等)です。原液そのものの製造・調合工程は対象外です。
Q. これから受け入れても第3号まで進められますか?
制度上は可能ですが、2027年4月の育成就労制度への切り替えにより、新規受け入れの場合は実質的に難しい可能性が高いです。
技能実習の化粧品製造は、化粧品原液を容器に充填し、検査・梱包して製品に仕上げる仕事です。化粧品GMPという国際基準に沿った作業であることが前提となるため、まず自社の体制がその基準を満たしているかを確認することが欠かせません。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。