技能実習制度のプラスチック成形に関するご説明ページ
Plastic molding
プラスチック製品を製造している事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「プラスチック成形」があります。作業区分は次の4つです。
・圧縮成形
・射出成形
・インフレーション成形
・ブロー成形
この記事では、技能実習の「プラスチック成形」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
プラスチック成形は、加熱して柔らかくしたプラスチック樹脂を、型や工程を使って製品の形に仕上げる仕事です。
4つの作業区分は、それぞれ異なる製法です。
・圧縮成形:型に材料を入れ、加熱・加圧して成形する方式
・射出成形:溶かした樹脂を型に高圧で射出して成形する方式(プラスチック製品で最も一般的)
・インフレーション成形:溶かした樹脂を筒状に押し出し、空気で膨らませてフィルムを作る方式
・ブロー成形:溶かした樹脂を型の中で空気で膨らませ、ボトルなど中空の製品を作る方式
自動車部品、家電製品の筐体、包装フィルム、ペットボトルなど、対象となる製品は非常に幅広く、自社がどの成形方式を扱っているかによって、実習生に教えられる内容が大きく変わります。
主な仕事内容は次のとおりです。
・樹脂材料の受け入れ、投入
・成形機の設定(温度、圧力、時間等)
・成形機の運転・監視
・製品の取り出し
・バリ取り、仕上げ加工
・検査、資材の運搬
実習生には、最初から機械の設定を任せるのではなく、材料の投入や製品の取り出し、バリ取りといった補助的な仕事から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば射出成形ひとつをとっても、樹脂の種類、製品の形状、求められる精度によって、適切な温度・圧力の設定が変わります。こうした判断は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
プラスチック成形の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・成形機の型締め部分による挟まれ事故
・溶融樹脂によるやけど
・樹脂を加熱する際に発生するガス(ヒューム)の吸入
・重い金型・資材の運搬による腰痛
・ブロー成形における高圧空気の取り扱い
成形機の型締め部分は非常に強い力で閉じるため、挟まれ事故は重大なけがにつながります。実習生には、母国語資料等を用いて機械の安全な操作方法と、安全装置(安全扉等)の重要性を具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:プラスチック成形の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
技能実習生にも労働基準法が適用されます。成形機の連続稼働にともない交代制勤務となる場合があるため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
プラスチック成形職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
Q. 4つの作業区分すべてを経験させる必要がありますか?
自社が実際に扱う成形方式に応じて計画すれば問題ありません。
Q. 成形機の操作に資格は必要ですか?
機械の種類(プラスチック成形機)によっては、特別教育の受講が必要な場合があります。使用設備に応じて確認してください。
Q. 交代制勤務(夜勤)はありますか?
成形機の連続稼働にともない、事業者によっては交代制勤務がある場合があります。深夜勤務には割増賃金の対象になる点に注意してください。
技能実習のプラスチック成形は、圧縮成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形という4つの製法に分かれる職種です。自社が扱う成形方式に応じた実習計画と、挟まれ・やけどのリスクを想定した安全教育が重要です。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。