技能実習制度の印刷に関するご説明ページ
チラシ、雑誌、パッケージなどを印刷している事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「印刷」があります。作業区分は次の2つです。
・オフセット印刷
・グラビア印刷
この記事では、技能実習の「印刷」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
印刷は、版(データ)を使って紙やフィルムなどにインクを転写し、製品を仕上げる仕事です。
オフセット印刷は、書籍、チラシ、パンフレットなど、一般的な印刷物の多くに使われている方式です。版に付いたインクを、いったんゴムのローラー(ブランケット)に転写し、それから紙に刷り移す仕組みになっています。
グラビア印刷は、版に彫られた微細なくぼみにインクを溜めて転写する方式で、色の再現性が高く、食品パッケージやフィルム製品などによく使われます。
自社がどちらの方式を扱っているかによって、実習生に教えられる内容が変わります。
印刷の技能実習では、扱う方式(オフセットかグラビアか)によって、使用する機械や作業内容が変わります。
主な仕事内容は次のとおりです。
・印刷データ、版の確認
・印刷機への用紙・フィルムのセット
・インクの調合、色合わせ
・印刷機の運転・監視
・刷り上がりの検査(色ムラ、かすれ等の確認)
・機械の調整、清掃
実習生には、最初から色合わせなど繊細な判断を任せるのではなく、用紙のセットや機械の清掃といった補助的な仕事から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば色合わせひとつをとっても、インクの種類、紙質、印刷する内容によって微妙な調整が必要です。こうした判断は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
印刷の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・印刷機の回転部分(ローラー等)による巻き込まれ事故
・インクや溶剤による皮膚・呼吸器への影響
・化学薬品(洗浄液等)の取り扱いによる中毒
・重い用紙ロールや資材の運搬による腰痛
印刷機は高速で稼働するため、ローラー部分への巻き込まれは重大事故につながりやすいリスクです。実習生には、母国語資料等を用いて機械の安全な操作方法と、化学薬品の取り扱い方を具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:印刷の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
技能実習生にも労働基準法が適用されます。印刷業は納期に応じて作業量が変動しやすいため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
印刷職種のうち、オフセット印刷は制度上第3号技能実習(4〜5年目)まで進める職種ですが、グラビア印刷は第2号技能実習(最大3年間)が上限とされている点に注意が必要です。
いずれの作業も、2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合は、その点も踏まえた計画が必要です。
Q. オフセット印刷とグラビア印刷、両方経験させる必要がありますか?
自社が実際に扱う方式に応じて計画すれば問題ありません。
Q. グラビア印刷は3号まで進められますか?
いいえ。グラビア印刷は制度上、第2号技能実習(最大3年間)が上限とされています。
Q. インクや溶剤を扱う作業に資格は必要ですか?
使用する薬品によっては特別教育が必要な場合があります。事前に確認してください。
技能実習の印刷は、オフセット印刷とグラビア印刷という2つの方式に分かれる職種です。グラビア印刷は3号に進めない点など、作業区分ごとの違いを理解したうえで実習計画を立てることが重要です。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。