技能実習制度の塗装に関するご説明ページ
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建物、金属製品、橋、自動車部品など、さまざまなものに塗装を施す事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「塗装」があります。作業区分は次の4つです。
・建築塗装
・金属塗装
・鋼橋塗装
・噴霧塗装
この記事では、技能実習の「塗装」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
塗装は、対象物に塗料を塗って、保護・美観・防錆などの機能を持たせる仕事です。
一口に塗装といっても、対象物によって使う塗料も工法もまったく異なるため、4つの作業区分に分かれています。
建築塗装は、住宅やビルの外壁・内壁などが対象です。金属塗装は、金属製品や部品の表面処理としての塗装を指します。鋼橋塗装は、橋梁など大型の鋼構造物を対象とし、防錆性能が特に重視されます。噴霧塗装は、スプレーガンを使った吹き付け塗装で、自動車部品や工業製品などに使われます。
自社がどの対象物を扱っているかによって、実習生に教えられる内容が大きく変わる点が、この職種の特徴です。
主な仕事内容は次のとおりです。
・下地の確認、ケレン(さび落とし・旧塗膜除去)
・養生(塗らない部分を保護する作業)
・塗料の調合
・下塗り、中塗り、上塗り
・スプレーガンや刷毛・ローラーによる塗布
・乾燥・硬化の確認、仕上げ検査
実習生には、最初から仕上げ塗りを任せるのではなく、養生やケレン、下塗りといった、やり直しがきく工程から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば塗料の調合ひとつをとっても、対象物の素材、気温・湿度、求められる仕上がりによって、粘度や配合が変わります。こうした判断は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
塗装の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・塗料・シンナー等の有機溶剤による中毒、皮膚への刺激
・噴霧塗装における塗料ミストの吸入
・高所作業(建築塗装・鋼橋塗装)における墜落・転落
・換気不足による中毒、火災(引火性溶剤の場合)
特に噴霧塗装は、塗料が細かい霧状になって飛散するため、呼吸器への影響を防ぐ防毒マスクの着用と、十分な換気が欠かせません。実習生には、母国語資料等を用いて有機溶剤のリスクと、保護具の正しい使い方を具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:塗装の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
技能実習生にも労働基準法が適用されます。塗装工事は天候(雨天不可)や他工程の進捗に左右されやすいため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
塗装職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
Q. 4つの作業区分すべてを経験させる必要がありますか?
自社が実際に扱う対象物に応じて計画すれば問題ありません。
Q. 有機溶剤を扱う作業に資格は必要ですか?
使用する塗料の種類によっては、有機溶剤作業主任者の選任や特別教育が必要な場合があります。事前に確認してください。
Q. 高所での塗装作業をさせてもいいですか?
建築塗装・鋼橋塗装の作業として必要な範囲であれば行うことはありますが、墜落防止対策を徹底する必要があります。
技能実習の塗装は、建築・金属・鋼橋・噴霧という4つの対象・工法に分かれる職種です。対象物に応じた実習計画と、有機溶剤・高所作業のリスクを想定した安全教育が重要です。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。