技能実習制度のさく井(掘削等)に関するご説明ページ

技能実習制度 さく井(掘削等)

Technical Intern Training Program Well Drilling, etc.

事務局長・安松大輔

執筆者:事務局長・安松大輔

人材紹介会社の社長を経験後、外国人人材の採用を支援する企業で勤務する、その後アジアネットワーク協同組合のに入り、事務局長に選任される、人材不足で困っている企業様のと日本で働きたいと思う外国人人材の懸け橋となれるように日々尽力している。さらに業界の情報の不透明さに疑問を感じ、アジアネットワーク協同組合では双方が不安にならない仕組みをつくるとし、WEBやSNSで外国人人材の採用に関して情報を届けることを重要視している。 目次
目次
  1. >1・|さく井とは?井戸を掘るだけの仕事ではありません
  2. >2・|さく井で実習生に任せられる主な仕事
  3. >3・|さく井の現場で特に注意したい安全管理
  4. >4・|建設分野の技能実習では追加条件があります
  5. >5・|技能実習生の受け入れで必要な体制
  6. >6・|技能実習は単なる労働力確保の制度ではありません
  7. >7・|第2号・第3号への移行
  8. >8・|特定技能「建設」への移行も見据える
  9. >9・|2027年4月からの制度変更にも注意
  10. >10・|よくある質問
  11. >11・|まとめ

技能実習「さく井」とは?井戸掘削の仕事内容と建設分野で受け入れる前の注意点【2026年最新】

建設業の中でも、井戸の掘削や地下水の調査に関わる会社では、技能実習「さく井」で外国人材の受け入れを検討するケースがあります。

さく井とは、簡単にいうと「地面を掘って井戸をつくる仕事」です。

ただし、一般的な穴掘り作業とは違います。地下水の位置、地層の状態、掘削機械の扱い、ケーシングの設置、泥水や排水の管理など、専門的な知識と安全管理が必要になる仕事です。

この記事では、技能実習の「さく井」について、どんな仕事なのか、実習生に任せられる作業、建設分野ならではの受け入れ条件、注意点を初心者にもわかりやすく解説します。

|さく井とは?井戸を掘るだけの仕事ではありません

さく井は、地下水井戸や地熱井などを掘削する仕事です。

生活用水、農業用水、工業用水、防災用井戸、温泉・地熱関連の調査など、現場によって目的はさまざまです。

作業では、地面を掘るだけでなく、掘削機械の準備、掘削中の地層確認、ケーシングの挿入、井戸の仕上げ、泥水や排水の処理、機械や資材の片づけまで行います。

現場では大型の掘削機械を使うため、作業手順を間違えると事故につながるおそれがあります。そのため、さく井の技能実習では、機械の近くでの動き方、合図の確認、足元の安全、保護具の着用などを丁寧に教える必要があります。

|さく井で実習生に任せられる主な仕事

さく井の技能実習では、いきなり難しい判断を任せるのではなく、現場の基本作業から段階的に覚えてもらうことが大切です。

主な作業には、次のようなものがあります。

・掘削現場の準備
・資材や工具の運搬、整理
・ロータリー式掘削機などの作業補助
・掘削ロッド、ビット、ケーシングの取り扱い補助
・泥水や排水の管理補助
・ケーシングの挿入補助
・グラウト注入などの補助作業
・掘削後の清掃、片づけ
・機械や工具の点検、整備補助

大切なのは、実習生を単なる資材運びや清掃だけに使わないことです。

技能実習は、技能実習計画に基づいて技能を修得する制度です。さく井作業の流れ、使う道具、現場での安全確認、機械作業の補助などを、段階的に学べる内容にする必要があります。

|さく井の現場で特に注意したい安全管理

さく井は、建設現場の中でも事故リスクに注意が必要な仕事です。

特に注意したいのは、次のような点です。

・掘削機械への巻き込まれ
・ロッドやケーシングなど重量物の取り扱い
・クレーンや重機との接触
・足元のぬかるみ、転倒
・掘削孔への転落
・泥水、排水、薬剤の取り扱い
・騒音や振動
・地下埋設物への接触
・現場車両との接触

さく井現場では、機械音が大きく、声だけでは指示が伝わりにくい場面があります。

そのため、合図の決め方、立入禁止範囲、機械が動いているときに近づいてはいけない場所、緊急停止時の対応などを、事前に決めておくことが重要です。

日本語だけで説明して終わりにするのではなく、写真、図、動画、母国語資料を使い、実習生が理解できる形で安全教育を行いましょう。

|建設分野の技能実習では追加条件があります

さく井は建設関係職種に含まれるため、一般的な技能実習の要件に加えて、建設分野ならではの確認が必要です。

特に重要なのは、次の3つです。

・建設業許可を受けていること
・事業者が建設キャリアアップシステムに登録していること
・技能実習生も建設キャリアアップシステムに登録すること

建設キャリアアップシステムは、建設現場で働く技能者の資格、就業履歴、社会保険加入状況などを確認・蓄積するための仕組みです。

技能実習生についても、建設分野で受け入れる場合は、登録を前提に準備する必要があります。

なお、JACへの加入は、主に建設分野の特定技能外国人の受け入れで確認する内容です。技能実習の受け入れ条件として、CCUSとJACを同じように並べて書くと誤解を招くため、この記事では分けて説明します。

|技能実習生の受け入れで必要な体制

さく井で技能実習生を受け入れるには、現場で作業を教える人だけでなく、実習全体を管理する体制が必要です。

主に必要になるのは、次の3つの役割です。

①技能実習責任者

技能実習全体を管理する人です。技能実習計画の進行、監理団体との連絡、書類管理、実習生の状況確認などを行います。

②技能実習指導員

実習生に直接作業を教える人です。さく井作業の経験があり、掘削作業の流れや安全面を説明できる人が必要です。

③生活指導員

実習生の生活を支える人です。住まい、通勤、病院、買い物、地域での生活ルールなどをサポートします。

建設現場は、現場ごとに場所が変わることがあります。そのため、集合場所、移動方法、現場でのルール、元請けや他業者との関わり方も、受け入れ前に整理しておくと安心です。

|技能実習は単なる労働力確保の制度ではありません

技能実習は単なる労働力確保の制度ではありません。技能実習生は、実習実施者と雇用契約を結び、技能実習計画に基づいて技能を修得する立場です。

そのため、受け入れ側には、技能指導とあわせて、賃金・労働時間・安全衛生などを適切に管理する責任があります。

さく井の現場では、現場移動、早朝集合、天候による作業変更、重機や掘削機械を使う作業などが発生します。

だからこそ、次の点はあいまいにしないことが大切です。

・労働時間の記録
・移動時間の扱い
・休憩時間の確保
・残業が発生した場合の管理
・安全教育の記録
・保護具の支給と着用確認
・現場ごとの危険箇所の説明

「建設現場ではよくあること」で済ませず、実習生にもわかる形でルールを共有しましょう。

|第2号・第3号への移行

技能実習は、第1号、第2号、第3号と段階があります。

第1号は1年目、第2号は2〜3年目、第3号は4〜5年目にあたります。

さく井で長く受け入れたい場合は、第2号や第3号への移行も見据えて、早い段階から技能評価への準備を進める必要があります。

ただし、第2号・第3号への移行には、実習生本人の技能評価だけでなく、受け入れ側や監理団体の要件も関係します。

第3号まで考える場合は、監理団体が一般監理事業に対応しているか、実習実施者側の体制が整っているかも確認しておきましょう。

|特定技能「建設」への移行も見据える

さく井で技能実習を良好に修了した場合、将来的に特定技能「建設」への移行を検討できる場合があります。

ただし、特定技能への移行は、技能実習の職種・作業、特定技能側の業務区分、受入企業側の計画、建設分野特有の要件などを確認する必要があります。

そのため、記事上では「必ず試験なしで移行できます」と断定するのではなく、選択肢として考えるのが安全です。

建設分野の特定技能では、建設キャリアアップシステムの活用や、建設分野特有の受け入れ手続きも関わります。技能実習から長期的な雇用を考える場合は、早い段階で監理団体や登録支援機関、関係機関に確認しておくとよいでしょう。

|2027年4月からの制度変更にも注意

技能実習制度は、2027年4月1日から育成就労制度へ切り替わる予定です。

ただし、施行日前に技能実習計画の認定や申請が進んでいる場合には、経過措置の対象になる可能性があります。

そのため、2026年以降にさく井で受け入れを考える場合は、次の点を確認しておきましょう。

・現行の技能実習制度で受け入れるのか
・育成就労制度を見据えて準備するのか
・監理団体が制度変更に対応する予定か
・建設分野の追加基準に対応できるか
・特定技能への移行まで考えるか

制度変更期は、申請時期や受け入れ開始時期によって扱いが変わる可能性があります。実際に受け入れを検討する場合は、最新の公的情報と監理団体の案内を確認してください。

|よくある質問

Q. さく井とはどんな仕事ですか?

地下水井戸や地熱井などを掘削する仕事です。掘削機械を使い、地面を掘るだけでなく、ケーシングの挿入、泥水や排水の管理、井戸の仕上げ、機械や工具の点検なども行います。

Q. 建設業許可は必要ですか?

建設関係職種として技能実習を行う場合、建設業許可を受けていることが重要な確認項目になります。さく井で受け入れる場合も、建設業許可や実際の作業内容が制度上の要件に合っているかを確認しましょう。

Q. CCUS登録は必要ですか?

建設分野の技能実習では、事業者と技能実習生の建設キャリアアップシステム登録が重要です。技能実習生についても、所定の時期までに登録を進める必要があります。

Q. JACへの加入も必要ですか?

JACは、主に建設分野の特定技能外国人受け入れに関わる機関です。技能実習の条件と特定技能の条件を混ぜて書くと誤解が出るため、技能実習段階ではCCUSなどの建設分野の基準を確認し、特定技能へ移行する段階でJACや受入計画の要件を確認する流れで考えるとよいでしょう。

Q. 実習生に掘削機械を操作させてもいいですか?

作業内容、資格、安全教育、実習計画との整合性を確認する必要があります。最初から危険な操作を任せるのではなく、現場の安全確認、工具や資材の扱い、補助作業から段階的に教えることが大切です。

Q. 第3号まで進めますか?

さく井は、第3号までの受け入れを検討できる職種です。ただし、第3号へ進むには、実習生本人の技能評価だけでなく、受け入れ側や監理団体の要件も関係します。第3号まで考える場合は、監理団体が一般監理事業に対応しているか確認しましょう。

Q. 特定技能「建設」へ移行できますか?

技能実習を良好に修了した後、特定技能「建設」への移行を検討できる場合があります。ただし、職種・作業、特定技能の業務区分、受入企業側の計画、建設分野特有の要件を確認する必要があります。

|まとめ

技能実習の「さく井」は、地下水井戸や地熱井などを掘削する建設関係職種です。

掘削機械を使うため、単なる手元作業ではなく、機械、資材、地層、ケーシング、泥水管理、安全確認などを段階的に学ぶ必要があります。

さく井で受け入れるときに特に大切なのは、次の3つです。

・建設業許可やCCUS登録など、建設分野の追加基準を確認すること
・掘削機械や重量物を扱う現場として、安全教育を徹底すること
・技能実習と特定技能の条件を混同せず、それぞれの制度に分けて確認すること

さく井は専門性の高い仕事です。

だからこそ、実習生を単なる人手として考えるのではなく、技能実習計画に基づいて、現場の安全、作業手順、機械や資材の扱いを一つずつ教えていくことが大切です。

2027年4月からは育成就労制度への切り替えも予定されています。これから受け入れを考える建設会社・さく井業者は、現行制度での受け入れだけでなく、制度変更後の対応や特定技能への移行も含めて、早めに監理団体へ相談しておきましょう。

参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、国土交通省、建設キャリアアップシステム、一般社団法人建設技能人材機構等の公表情報をもとに作成。

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