技能実習制度の自動車整備に関するご説明ページ
Car maintenance
自動車の点検・修理を行っている事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「自動車整備」があります。作業区分は「自動車整備」の1つです。
自動車整備とは、自動車の点検、整備、修理を行う仕事です。この職種は、事業所側に法令上の許可が求められる点が大きな特徴です。
この記事では、技能実習の「自動車整備」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
自動車整備の技能実習を受け入れるには、道路運送車両法に基づき地方運輸局長から認証を受けた自動車特定整備事業場であることが条件です。
一般的な洗車専門店や、簡易な点検のみを行う事業所では、この職種での受け入れができない場合があります。まず自社の認証状況を確認することが、実習計画を立てる前の第一歩になります。
自動車整備は、車検・点検整備から、故障診断、部品交換、修理まで、自動車を安全に走行できる状態に保つ仕事です。
主な仕事内容は次のとおりです。
・車両の受け入れ、状態確認
・点検(法定点検、車検整備等)
・エンジン、ブレーキ、足回りなどの点検・整備
・部品の交換、修理作業
・整備記録簿の作成
・完成検査
実習生には、最初から故障診断や重要保安部品の整備を任せるのではなく、洗車や消耗品の交換など、比較的リスクの低い作業から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
自動車は、車種やメーカーによって構造が異なります。そのため、単に工具が使えればよい仕事ではなく、車両ごとの特性を理解しながら、正確に診断・整備する技術を、時間をかけて身につけていく必要がある仕事です。
自動車整備の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・リフトで持ち上げた車両の落下事故
・工具の取り扱いによる切創・打撲
・バッテリーの取り扱いによる感電・薬品による負傷
・エンジン稼働中の作業による火傷、一酸化炭素中毒
・重量部品の運搬による腰痛
車両をリフトで持ち上げた状態での作業は、落下すれば重大な事故につながります。実習生には、母国語資料等を用いてリフトの安全な操作方法と、車両の下に入る際のルールを具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:自動車整備の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
なお、この職種は事業所そのものが道路運送車両法上の認証を受けていることが前提となる、特有の要件がある点に注意してください。
技能実習生にも労働基準法が適用されます。車検・点検の入庫状況によって作業量が変動しやすいため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
自動車整備職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
なお、自動車整備は特定技能制度にも対応する分野があるため、育成就労制度への移行後も、分野として継続していく可能性が高いと考えられます。
Q. 認証工場でなくても受け入れられますか?
道路運送車両法に基づく地方運輸局長の認証を受けた自動車特定整備事業場であることが前提です。認証がない場合、この職種での受け入れは難しくなります。
Q. 実習生に故障診断を任せてもいいですか?
経験を積むまでは、指導員が主導し、実習生は補助的な立場で対応することが望ましいです。
Q. これから受け入れても第3号まで進められますか?
制度上は可能ですが、2027年4月の育成就労制度への切り替えにより、新規受け入れの場合は実質的に難しい可能性が高いです。
技能実習の自動車整備は、車両を安全な状態に保つための点検・修理を行う仕事です。受け入れには事業所自体の認証が前提となるため、まず自社がその条件を満たしているかを確認することが欠かせません。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁、国土交通省等の公表情報をもとに作成。