技能実習制度の配管に関するご説明ページ
Piping
建物やプラント設備の水道管・ガス管・空調配管などを手がける事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度では、建設関係の職種の中に「配管」という職種があります。
配管とは、建物内やプラント設備内に通す水道管・ガス管・冷暖房配管などを施工する仕事です。ビルなどの建物を対象にする「建築配管作業」と、工場やプラント設備を対象にする「プラント配管作業」の2つの作業区分があります。
この記事では、技能実習の「配管」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
配管は、水・ガス・空気などを通す管を、加工し、つなぎ合わせる仕事です。
たとえば、次のような作業が当てはまります。
・建物内の給排水管の施工(建築配管作業)
・空調設備の配管施工(建築配管作業)
・工場・プラント内の配管施工(プラント配管作業)
住宅やビルの水回り工事から、工場の生産設備を支える配管まで、活躍する現場は幅広くあります。
配管の接続には、ねじ切りや溶接など専門的な加工技術が必要です。そのため、単に道具が使えればよい仕事ではなく、材料や用途に応じた接続方法を見極める判断力を、時間をかけて身につけていく必要がある仕事です。
配管の技能実習では、建築配管かプラント配管かによって、扱う設備の規模や現場が変わります。
ただし、基本になる仕事は共通しています。
主な仕事内容は次のとおりです。
・配管材料の採寸・切断・加工(ねじ切り、溶接等)
・配管の接続・組立
・配管の吊り・固定作業
・保温材・保護材の取り付け
・圧力試験、漏れ確認
・資材の運搬、現場の整理
実習生には、最初から溶接作業を任せるのではなく、資材の運搬や配管の固定作業といった補助的な仕事から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば配管の接続ひとつをとっても、材料の種類、太さ、設置場所によって、適切な接続方法や強度の確保方法が変わります。こうした判断は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
配管の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・溶接・ガス切断作業時の火傷・火災
・密閉された配管スペースやタンク内での酸欠・有毒ガス
・天井配管・屋上設備配管施工時の高所作業
・配管材の運搬時の腰痛・打撲
・切断・加工工具の取り扱いによる切創
密閉空間での作業がある場合は、酸欠・有毒ガス対策(換気、ガス検知器の使用)が欠かせません。実習生には作業前に、母国語資料や実演を用いて危険箇所と禁止行為を具体的に伝える必要があります。
配管で技能実習生を受け入れるには、実習生に仕事を教え、生活面も支えられる体制が必要です。
主に必要になるのは、次の3つの役割です。
①技能実習責任者
技能実習全体を管理する人です。実習計画の進み具合、監理団体との連絡、法令遵守、実習生の状況確認などを行います。
②技能実習指導員
実習生に直接仕事を教える人です。配管工事の実務経験があり、作業手順や安全管理を説明できる人が必要です。
③生活指導員
実習生の生活面を支える人です。住まい、買い物、病院、交通、地域での生活ルールなどをサポートします。
配管工事は、他工程との調整や工期に応じて作業量が変動しやすい仕事です。
しかし、忙しい時期であっても、技能実習生は労働者です。労働時間、休日、休憩、残業代、安全衛生などのルールを守る必要があります。
作業日報、出勤簿、残業時間、休日の記録は、必ず残すようにしましょう。
配管で技能実習生を何人まで受け入れられるかは、実習実施者の常勤職員数、団体監理型か企業単独型か、優良要件を満たしているかなどによって変わります。
そのため、単純に「何人まで受け入れられる」と決めつけるのではなく、自社の常勤職員数や体制を監理団体に伝えたうえで確認することが大切です。
配管は、条件を満たせば本来、第3号技能実習(4〜5年目)まで進める職種です。
ただし、2027年4月1日に技能実習制度から育成就労制度へ切り替わることが決まっています。
これから新規に技能実習生を受け入れる場合、3号まで到達できるのは、実質的にすでに実習を始めている一部の人に限られると考えたほうが安全です。
技能実習制度は、2027年4月1日から育成就労制度へ切り替わる予定です。最新情報は、出入国在留管理庁、外国人技能実習機構、厚生労働省などの公式情報を必ず確認してください。
Q. 建築配管とプラント配管、両方任せていいですか?
自社が実際に扱う工事内容に応じて計画すれば問題ありません。
Q. 溶接作業は誰でもできますか?
できません。作業内容に応じた特別教育・技能講習の修了が必要です。
Q. これから受け入れても第3号まで進められますか?
制度上は可能ですが、2027年4月の育成就労制度への切り替えにより、新規受け入れの場合は実質的に難しい可能性が高いです。
技能実習の配管は、建物やプラント設備の中を通る管を施工する仕事です。建築配管、プラント配管という2つの作業区分に応じた実習計画と、密閉空間・高所作業を想定した安全教育が重要です。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。