技能実習制度の陶磁器工業製品製造に関するご説明ページ
Manufacturing of ceramic industrial products
食器、タイル、衛生陶器などを製造している事業者の中には、外国人技能実習生の受け入れを検討している方もいると思います。
技能実習制度には、「その他」に分類される職種の一つとして「陶磁器工業製品製造」があります。作業区分は次の4つです。
・機械ろくろ成形
・圧力鋳込み成形
・パッド印刷
・タイル製造作業
この記事では、技能実習の「陶磁器工業製品製造」について、どんな事業者が対象になるのか、実習生に任せられる仕事内容、受け入れ時の条件や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
なお、技能実習制度に関するルールは今後も見直される可能性があります。本記事は2026年時点の情報をもとに作成していますので、実際の受け入れにあたっては、必ず監理団体や外国人技能実習機構などの最新情報をご確認ください。
この職種は、陶磁器製品を作る工程を、成形・加飾の方法ごとに4つに分けています。
機械ろくろ成形は、機械を使って粘土を回転させながら茶碗や皿などの丸い形状を成形する工程です。圧力鋳込み成形は、泥漿(どろ状の粘土)を石膏型に圧力をかけて流し込み、複雑な形状を成形する工程です。パッド印刷は、柔らかいシリコン製のパッドを使って、製品表面に絵柄や模様を転写する工程です。タイル製造作業は、建材用のタイルを成形・焼成する工程です。
食器メーカーから、建材用タイルメーカー、衛生陶器メーカーまで、自社がどの工程を扱っているかによって、実習生に教える内容が大きく変わります。
主な仕事内容は次のとおりです。
・原料(粘土、泥漿等)の準備
・成形機械への材料セット
・成形作業(ろくろ成形、鋳込み成形等)
・加飾作業(パッド印刷等)
・乾燥、検品
・窯入れ前の準備作業
実習生には、最初から成形の細かい調整を任せるのではなく、材料の準備や検品といった補助的な仕事から少しずつ経験を積んでもらう形が基本です。
たとえば機械ろくろ成形ひとつをとっても、粘土の硬さや水分量によって、仕上がりの厚みや形状が変わります。こうした感覚は、経験のある指導員が説明しながら教えていく必要があります。
陶磁器工業製品製造の現場では、次のようなリスクに特に注意が必要です。
・成形機械の回転部分による巻き込まれ事故
・石膏型や重い原料の運搬による腰痛
・粘土や釉薬に含まれる粉じんの吸入
・窯周辺での高温設備によるやけど
粘土の粉じんは長期間吸い込むと健康に影響する可能性があるため、換気や防じんマスクの着用が重要です。実習生には、母国語資料等を用いて機械の安全な操作方法と、粉じん対策の重要性を具体的に伝えることが重要です。
技能実習責任者:実習計画の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認を行う人
技能実習指導員:陶磁器工業製品製造の実務経験を持ち、直接指導する人
生活指導員:住居・生活面のサポートを担当する人
技能実習生にも労働基準法が適用されます。受注状況や季節需要によって作業量が変動しやすいため、労働時間・休憩・休日の記録管理を徹底する必要があります。
受け入れ可能人数は、常勤職員数、団体監理型/企業単独型の別、優良要件の充足状況によって変わります。監理団体に自社の状況を伝えたうえで確認してください。
陶磁器工業製品製造職種にも制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が設けられています。ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れる場合、3号に到達する前に制度が変わる可能性が高い点に注意が必要です。
Q. 4つの作業区分すべてを経験させる必要がありますか?
自社が実際に扱う工程に応じて計画すれば問題ありません。
Q. タイル製造と食器製造は同じ職種ですか?
はい。技能実習制度上は同じ「陶磁器工業製品製造」という職種の中で、作業区分として分かれています。
Q. 粘土の粉じん対策は何をすればいいですか?
換気の確保、防じんマスクの着用、作業場の清掃の徹底が基本です。
技能実習の陶磁器工業製品製造は、機械ろくろ成形、圧力鋳込み成形、パッド印刷、タイル製造作業という4つの工程に分かれる職種です。自社の製法に応じた実習計画と、粉じん対策を中心とした安全教育が重要です。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。