技能実習制度の電気機器組立てに関するご説明ページ
Electrical equipment assembly
モーター、変圧器、配電盤といった電気機器を製造している工場の中には、「うちの仕事は技能実習の対象になるのだろうか」と検討を始めている事業者様もいるはずです。
技能実習制度には、機械・金属関係の職種の一つとして「電気機器組立て」があります。回転電機(モーター・発電機)、変圧器、配電盤・制御盤、開閉制御器具、回転電機巻線という、5つの作業区分に分かれているのが特徴です。
つまり「電気機器組立て」とひとくくりに考えず、自社がどの製品ラインを扱っているかによって、実習計画の中身がかなり変わってくる職種だということを、最初に理解しておく必要があります。
なお本記事は2026年時点の情報をもとにしています。技能実習制度は今後も見直される可能性があるため、実際の受け入れにあたっては監理団体や外国人技能実習機構の最新情報を必ず確認してください。
まず、自社の製品がどの区分に当たるかを整理しましょう。
見た目は似ていても、扱う部品のサイズ、必要な精度、危険度がそれぞれ異なります。特に巻線製作は、細い電線を正確に巻き付ける専門性の高い作業で、他の4つとは少し違った技能が求められます。
電気機器の組立は、最終的に「通電させて正しく動くこと」がゴールです。そこに向けた工程を、実習生には段階を踏んで経験させていきます。
配線を一本間違えるだけで機器が正常に動かなかったり、最悪の場合は事故につながったりします。そのため、最初のうちは部品の受け入れや資材運搬といった、間違いが製品に直結しにくい工程から任せ、配線・組立作業は指導員が付き添いながら経験を積ませるのが一般的な進め方です。
巻線作業を扱う事業者の場合、コイルの巻き方一つで性能(発熱量、効率など)が変わってくるため、他の作業より習得に時間がかかることも伝えておくとよいでしょう。
電気機器組立てで最も特徴的なリスクは、他の機械・金属系職種とは異なり、感電です。
通電検査は、機器が正しく動くかを確認する重要な工程である一方、感電事故のリスクが最も高まる場面でもあります。実習生に検査作業を任せる際は、まず十分な安全教育を行い、指導員の立ち会いのもとで経験させることが欠かせません。母国語の資料や動画を使って、「なぜこの手順を踏むのか」まで理解してもらうことが、事故防止につながります。
技能実習生を受け入れるには、次の3つの役割を社内で決めておく必要があります。
①技能実習責任者:実習計画全体の管理、監理団体との連絡、法令遵守の確認
②技能実習指導員:電気機器組立ての実務経験を持ち、直接指導する人
③生活指導員:住居や生活面のサポートを担当する人
とくに指導員は、自社が扱う作業区分(回転電機、変圧器、配電盤等)の実務に精通している必要があります。
電気機器製造業は、受注状況によって作業量が大きく変動しやすい業種です。納期が集中すると、どうしても残業が発生しやすくなります。
技能実習生も労働基準法が適用される労働者です。忙しい時期であっても、労働時間・休憩・休日はきちんと記録し、残業には割増賃金を支払うなど、法令に沿った運用を徹底してください。
受け入れ可能な人数は、常勤職員数、団体監理型か企業単独型か、優良な実習実施者としての要件を満たしているかによって変わります。
事前に次を整理し、監理団体に確認しておくとよいでしょう。
電気機器組立てにも、制度上は第3号技能実習(4〜5年目)が用意されています。
ただし2027年4月1日に技能実習制度が育成就労制度へ切り替わることが決まっているため、これから新規に受け入れを始める場合、3号に到達する前に制度そのものが変わる可能性が高い状況です。
長期的な人材育成を考えるなら、「5年間受け入れられる」という前提ではなく、育成就労制度への移行を見据えたスケジュールを、監理団体と相談しながら組み立てることをおすすめします。
2027年4月1日の育成就労制度への切り替えに向けて、次の点を早めに確認しておきましょう。
制度の詳細は今後も省令等で順次決まっていく段階です。出入国在留管理庁や外国人技能実習機構の公式発表を継続してチェックすることをおすすめします。
5つの作業区分すべてを経験させる必要がありますか?
自社が実際に扱う製品に応じて計画すれば問題ありません。無理に全区分を含める必要はありません。
通電検査は実習生に任せてもいいですか?
感電防止のルールを徹底したうえで、経験を積んでから段階的に任せることが望ましいです。最初は指導員が主導してください。
巻線作業は特に難しいですか?
はい。コイルの巻き方が製品性能に直結するため、他の作業より習得に時間がかかる傾向があります。
これから受け入れても5年間の実習は現実的ですか?
制度上は可能ですが、2027年4月の制度切り替えにより、新規受け入れでは実質的に難しい可能性が高いです。監理団体に最新の見通しを確認してください。
電気機器組立てという職種は、回転電機、変圧器、配電盤・制御盤、開閉制御器具、回転電機巻線という5つの顔を持っています。自社がどの製品を扱っているかによって、実習計画も、安全教育の重点も変わってきます。
受け入れを検討する際に押さえておきたいのは、次の3点です。
技能実習制度は2027年4月に育成就労制度へ切り替わる予定で、今後もルールが変わる可能性があります。本記事だけで判断せず、必ず監理団体や公的機関の最新情報を確認したうえで計画を立ててください。
参考情報:外国人技能実習機構、厚生労働省、出入国在留管理庁等の公表情報をもとに作成。